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所信表明

4 質の高い教育をみんなに13 気候変動に具体的な対策を
ページID:0001304 更新日:2021年8月20日更新 印刷ページ表示

町長 所信表明の画像

 町長は、令和2年6月19日に開会した6月定例議会の冒頭に所信表明演説を行いました。

令和2年6月定例議会 所信表明

この度、安芸太田町長に就任いたしました、橋本博明です。

前町長の辞任というかたちで始まったこのたびの選挙により、私も投開票日から即日町長に就任という異例のスタートをさせていただきました。就任から今日までの3週間はあっという間でしたが、本日、議場において、議員の皆様と初めて議論をさせていただく時を迎え、改めて身の引き締まる思いでございます。共に安芸太田町の未来を背負う立場ではありますが、多くの議員は既に何年も町のために貢献をされてきた先輩でもあります。格別のご指導、ご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

投票率について

さて、この度の町長選挙は新型コロナウイルスによる被害を最小限にするため、活動の自粛が要請される中で行われた極めて異例のものでした。当然、多くの皆様は投票率が下がると思われていましたし、事実、県内で4月に行われていた某市議会議員選挙でも前回投票率を15ポイント下回るという結果が出ておりました。しかし、いざふたを開けてみますと、大方の予想を裏切り、むしろ前回の投票率を2.62ポイントも上回る77.94%という高い投票率となりました。

この結果を見たとき、同じ町に住むものとして、安芸太田町民を誇らしく思ったのは私だけではないと思います。近年の選挙の投票率の低下傾向は大きな問題であり、安芸太田町も例外ではありませんでした。ましてや投票自体がコロナウイルスの影響で大変難しかったにも関わらず、多くの町民が主権者として町の将来を考え、投票を行われたということは、日本中に誇るべきことだと思います。

​また、同時に、そうした町民の関心の高さの背景を考えますと、長らく続く人口減少になかなか歯止めがかからないことへの危機感や、コロナウイルス問題に対する将来への不安感、さらには前町長の突然の辞任による町政への不信感など、町民の皆様の中には抑えきれない、大きな危機感があったようにも感じております。そうした町民の想いが、これまでの町政の流れを変えてほしいという大きな声となって、町政始まって以来の、町外出身者の町長就任につながったと思います。

この町民の決断の重さを思うとき、私も身の震える思いではありますが、しっかりとその想いを受け止めさせていただき、これまで私が培ってきた経験のすべてをかけて、全力で職務にまい進する覚悟でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

前町長の辞任について

なお、先にも触れました通り、今回の選挙は前町長の辞任というかたちではじまりました。以来、約2か月間、町長不在という大変厳しい環境の中、職員は町を支えるために全力で頑張ってまいりました。この期間はコロナウイルスへの対応で大変な時期でもございましたし、時には前町長への誹謗中傷が職員へ向かうこともあったかと思います。そうした厳しい状況の中で職務を全うした職員の奮闘ぶりについて、議員の皆様にも今一度思い返していただいたうえで、失われた信頼回復に向けて職員一丸となって取り組んで参りますので、この点もご指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

選挙戦の公約について

さて、それでは改めて、今後4年間町政に携わるにあたり、私の所信の一端を述べさせていただきます。

安芸太田町に移住して4年間、地域を歩きながら、私も多くの皆様から、町を変えてほしいという声を頂戴してまいりました。それは合併以降も変わらず続く人口減少により、活力を失い、やがては町自体がなくなってしまうのではないかという町民の危機感の表れだったと思います。

私も、同じ危機感を感じてはおりましたが、その一方で、町の将来に一筋の希望を感じるようにもなりました。それは、この4年の間に、町には素晴らしい資源がたくさんあることを再確認したからであります。

例えば安芸太田町のど真ん中を流れる太田川は、広島市民の生活になくてはならない存在です。これは言い方を変えると太田川源流域に位置する安芸太田町には、潜在的なファンが100万人いるという風に捉えることもできます。その上流には全国有数の峡谷として、特別名勝「三段峡」が控えています。それ以外にも、恐羅漢山や深入山、井仁の棚田や筒賀の大イチョウ、龍頭峡に深山峡や温井ダム、吉水園に花の駅公園などなど、ちょっと他の地域では考えられないほど素晴らしい観光資源が揃っています。

また、山には伐採の適齢期を迎えた豊富な森林資源もありますし、そうした自然環境によって育まれた、祇園坊柿や棚田米、とちの実や山菜、ヤマメなど美味しい食材も豊富にあります。伝統芸能の神楽も盛んですし、時代を遡れば鉄の産地として栄えた歴史もあります。

町民の皆様が思っている以上に、安芸太田町は多種多彩な資源に恵まれています。

​では何故、これほど素晴らしい資源があるにも関わらず、安芸太田町の衰退に歯止めがかからないのか?私が思いましたのは、いくら素晴らしい資源であったとしても、いつも同じ視点や同じ考え方で捉えていては、新しい魅力に気が付くことはできないのではないか。そしていくら素晴らしい資源でも、新しい魅力を生み出していかなければ、いつかは飽きられてしまうのではないかということです。

​残念ながらこれまでの安芸太田町は、ともすれば内向きの体質、或いは町内だけの理屈によって物事が決まってしまう、そんな風潮があったのかもしれません。結果として、社会の新たな動きや時代の変化を上手く取り込むことが出来ないまま、新しい魅力を生み出すことができない状態が続いたのかもしれません。

今の安芸太田町に必要なのは、その新しい魅力を見つけ出すことのできる、町民の皆様とは違う視点や考え方です。私が選挙で訴えてきた新しい風とは、まさにこの新しい視点、新しい考え方のことであり、その風によって安芸太田町を活性化させることこそが、私の果たすべき最大の役割と考えます。

当然、新しい風は、役場の在り方にも及びます。何故ならば本町のような小さな町では、役場こそが町の心臓であり、役場が変わらなければ町もまた変わらないと思うからです。私が目指す役場は、町民に対して、出来ない事は出来ないと申し上げなければなりませんが、そこで留まることなく、町民が抱く夢や想いを実現するためには何が必要なのか、その方法を逆提案するようなそういう役場です。

そのうえで、私は、国会議員や中央省庁の官僚として培ってきた人脈や経験、広島に戻ってきてから培った広島大学や広島で活躍する方々との人脈をフルに活用すれば、町の新たな魅力を具体的な形に仕上げ、かつこれまで以上に町の外にアピール出来るのではないかとも考えています。

こうして変わっていく安芸太田町において、私自身は具体的に7つの約束をしています。

​1つ目は、空き家の利活用で住居を確保するなど、町の人口維持にこだわるということです。申しあげるまでもなく、安芸太田町の最大の懸案事項は人口減少です。人口維持には様々な政策を組み合わせる必要がありますが、中でも私が重要に思うのは住居の確保です。就労先ももちろん重要ではありますが、魅力的な就労先はあっても町内に住む場所がなければ市内から通う人だっていると思うからです。実際に私が安芸太田町に移るときに最初に苦労したのは住む家がないということでした。

最新の調査では安芸太田町には空き家が900戸近くあり、その3分の1は手を少し加えるとすぐにでも住めると聞いております。空き家は放置しておけば廃墟となりますが、使えば立派な資源です。田舎暮らしを希望する方々は往々にして、それにふさわしい、田舎らしい家を探しておられます。既に町も「空き家バンク」というかたちで空き家の斡旋を行っていますが、もっと数を増やし、また、例えば水回りの改修費用は町が負担してでも、田舎らしい魅力的な家を揃えることができれば、もっと多くの方に安芸太田町に移住していただけるのではないかと考えます。

​2つ目は情報公開を積極的に進めるとともに、私が地域に積極的に出向き、町民の声をお聞きすることです。私もこの4年間町を歩きながら、町の皆様から様々な声をお聞きし、その一つの集大成として選挙公約を作りましたが、町長になればより多くの声が聞こえてくるかもしれません。そのうえでこれからの町づくりには町民の参加が必要不可欠です。その参加を促していくためにも、町民の声を聴く機会を様々作っていきたいと考えています。具体的には、早ければ7月中から、自治振興会単位で地域懇談会を開催するべく準備を始めております。それ以外にも特に町外出身者の声を聴く機会や、若い女性の声を聴く機会など、様々な形で町民の声を聴く場を積極的に作ってまいります。

​3つ目は自然を活かした産業振興、特に観光・林業・農業の振興を進めることです。特に冒頭申し上げたとおり、安芸太田町は本当に素晴らしい観光資源に恵まれています、これを産業として利用しない手はありません。実際に三段峡は可部線があった当時は40万人を超える方々で賑わっていましたが、今はその3分の1にまで減少しています。しかし、これを可部線廃止のせいにしてしまっているのであれば問題だと思います。世の中には鉄道の通っていない観光地はたくさんあります。平成元年当時、本町とお隣の北広島町は年間観光客がほぼ同じ50万人程度でしたが、30年たって安芸太田は変わらず50万人程度に対して北広島町は250万人に増えています。本町の観光業にもチャンスはあります。

また、私自身は長らく小規模林業に携わってまいりましたが、材価が低迷している中でも、それなりに経営が出来るのではないかという感触を感じております。また、小規模林業家は定住にも結び付きやすいと感じております。ちょうど国も森林環境税を創設し、地域の山林の整備に力を入れ始めました。そうした財源も活用し、当町の林業振興に力を入れて参ります。

​また、農業についてはこれまでの取り組みの中で、特に安野・修道地区で若い農家さんが増えていることは心強く思っております。そうした方々を応援しながら、例えば太田川ブランドの野菜として売り込むことができないか、取り組んでまいります。

​4つ目は公共交通の見直しです。特に高齢者が多く、かつ面積の広い本町においては、今後の免許返納の流れも考えますと、公共交通の充実は不可欠です。導入当時は多くの地域から注目を集めたあなたく事業も高齢化の進展により、より便利な取り組みが求められるようになっていると感じています。今後は、バス停まで行かなくても、また、好きな時に、ドアツードアで移動を応援する、例えば町内ワンコインで移動できるようなタクシーの運行などを含めて検討を進めます。

​5つ目は危機管理です。ここ最近は安芸太田町も大きな災害にはあっておりませんが、いざ災害が発生した場合には、被害が大きくなるような地域柄と感じております。そうした自然災害等の危機に対して、現状は総務課が兼務をしながら対応しておりますが、今後は避難場所の再整理や安芸太田町に訪れる観光客の安全管理等も考えますと、専門で対応するラインを作り、危機管理の専門家を配置するべきと考えます。今後早急に整備を行い、災害対策や危機管理能力を高めます。

6つ目は自然を活かした教育の推進です。冒頭から我が町の最大の資源は素晴らしい自然にあると申しましたが、その自然を町づくりにどう活かすかと考えた時に、究極的には教育にたどりつくと考えます。私自身はかつて長男を森のようちえんに通わせていました。個々人の差はあると思いますが、自然の厳しさとやさしさを体感することによって、心も体もたくましく、しなやかになり、人生を生き抜くための心の根っこみたいなものが育っているように感じます。そうした教育を受けられる環境というのは、子どもさんを持つ若い世帯には大変魅力的ではないかと考えます。森のようちえんに限らず、様々な教育を選べる地域として枠にはまらない、新しい時代を支える人材を作る安芸太田町となるよう、努めてまいります。

​7つ目は小型バイオマス発電の誘致や、野菜の地産地消を進めるなど、地域循環型社会を目指すことです。私自身は小規模林業に携わってきた関係で、バイオマス発電の誘致についても関わって参りました。林業家にとって、材として使えないような端材や枝葉が燃料として売れるのは大変な魅力です。また、コロナウイルスで様々な活動が制限されましたが、不測の事態を考えた場合、エネルギーの地産地消も真剣に考えなければならないと感じます。同じく野菜等の食料も、地産地消を進めて、例えば学校給食には毎日とは言わなくても、たまには地元の野菜を食べさせることは出来ないかと考えます。

こうした取り組みを進めることによって、多くの方にとって魅力的な地域となり、移住者を増やすことによって町の人口減少に歯止めをかけ、次の世代に引き継げる安芸太田町を作っていけると確信しております。

コロナについて・補正予算について

目の前の問題についても触れたいと思います。今回のコロナウイルスの影響によりまして、町内の経済活動も相当影響を受けております。5月12日に開催されました前回の臨時会以降、15日には県内の緊急事態宣言は解除されましたが、町内の事業者も、未だに通常業務に戻れていないところもございます。

この間、町独自の補助事業も開始させていただきましたが、昨日現在で申請団体は51件、未だ申請の引き合いがあるような状況です。

一方で、戸河内IC付近を中心に、観光客の流れは回復しつつあります。週末の町内のキャンプ場は予約が満員といった施設も見受けられます。

未だ予断は許されず、引き続き感染防止対策は継続していかなければなりませんが、これからはいよいよ「ウィズ コロナ」「アフター コロナ」を見据えた取り組みに移っていかなければなりません。この「ウィズ コロナ」「アフター コロナ」の社会については、多くの識者が分析をされていますが、多くはこれまでの都会一辺倒のライフスタイルが見直され、地方や田舎の良さが見直される時代が来るという指摘をされています。期せずして安芸太田町の時代が来ようとしています。

この流れを上手く掴んで、安芸太田町を元気にするために、今回の定例議会でも補正予算を提出しております。

​その内容は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた追加対策費1,747万円のほか、「ウィズ コロナ」「アフター コロナ」を見据えて、安芸太田町の活性化に向けて戦略的に投資を行う予算として、1,950万円を計上しております。

​この内訳としては、新型コロナウイルスについて安芸太田町はより安全・安心な場所ですよということを町外に積極的にアピールさせていただくために、町内事業者に感染症対策への取り組みを促し、基準を満たしている事業者には認定を行うなどの「安全・安心おもてなし向上支援」事業費として850万円。

​また、国は第一次補正予算において「Go To キャンペーン」という1兆7千億円に及ぶ大型の景気刺激策を確保していますが、その地方観光振興分である「Go To トラベル」事業も準備が進んでおります。この事業をしっかり利用させていただいて安芸太田町への観光客を増やすとともに、その増えた観光客を一過性に終わらせることなく、リピーターとして捕まえられるよう顧客データベースの構築を中心とした「関係人口創出・拡大事業」として600万円。

さらにこれからはリモートワークやワーケーションなど、働き方も大きく変わっていく中で、普通にソーシャルディスタンスをしっかり保てる安芸太田町での暮らしをいち早く提案し、定住等につなげていくための「ワーケーション(新たなワークスタイル)推進支援事業」として500万円ほど計上させていただいています。

これらの補正予算は、続いて予定されている新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の第二次交付金を原資に当町で取り組みを考えておりますヘルスツーリズム促進事業や地域特産品のプロモーション事業、ワーケーション推進支援事業へと導入する最初のステップであり、かつ一連のコロナ騒動によるピンチを町再生のチャンスに変えていく、当町独自の計画の一環でありまして、多くの自治体がその場しのぎの単発的な対策に陥っている取り組みとは大きく異なっております。

また、補正予算の関連で申し上げれば、今回のコロナウイルスの影響は子供たちの生活にも大きな影響を及ぼしております。特に学校閉鎖に伴う学習分野の遅れについては多くの親御さんも心配をされています。そうした状況の中で、国も児童、生徒一人に一台の端末を整備するGIGAスクール構想を進めておりましたが、これを前倒しで実施されることとなり当町もそれに併せて一人一台の端末を実現するための予算を組ませていただいております。また、特に学習分野の遅れが心配となる中学3年生については実際に自宅での遠隔学習ができる環境づくりに取り組みたいと考えておりまして、併せて3,194万円を計上しています。

​十分な審議を行っていただき、御承認をお願いいたします。

むすび

本町を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。広島県一小さく、広島県一高齢化率が高く、広島県一経常収支が高い、我が安芸太田町。

​まさに、過疎化の最先端に位置する我が町だからこそ可能性に満ちているとも感じます。何故ならもっとも厳しい環境にいるからこそ、その現状を変えようというエネルギーも大きいものがあると感じるからです。実際に、今回の選挙ではその片鱗が示されました。

いよいよ新しい町づくりに舵を切った安芸太田町ですが、そこに現れた新型コロナウイルスもまた、新しい風なのかもしれません。決して歓迎されるものではありませんが、こちらの都合お構いなしに日本中をひっくり返していくこの突風を、如何に上手く掴んで、新しい安芸太田町を作り上げていくのか。早速そんな舵取りが求められています。それには多くの皆様の知恵と力が必要です。私も全力で頑張って参ります。町民の皆さん、そして議員各位のご理解とご指導を改めてお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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