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~ 安芸太田町の新たな魅力を求めて ~
この度の町長選挙において当選をさせていただきました橋本博明です。どうぞよろしくお願いいたします。
安芸太田町に移住して4年間、地域を歩きながら、多くの皆さんから、町を変えてほしいという声を頂戴してまいりました。止まらない過疎、新型コロナウイルスの脅威、町長不在という状況が重なる中で、町民の皆さんが町の将来に不安を感じておられた結果と思います。
私も、同じ危機感を感じているところではありますが、一方で、町の再生への一筋の希望も見出しています。
それは、この4年間で町には素晴らしい資源がたくさんあることを学んできたからです。
例えば100万人の市民生活を支える太田川は、広島市民で知らないものはいない存在(ブランド)です。その上流には全国有数の特別名勝「三段峡」が控えています。それ以外にも、恐羅漢山や深入山、井仁の棚田や筒賀の大イチョウ、龍頭峡に深山峡や温井ダム、吉水園等など、他地域では考えられないほど、素晴らしい観光資源が揃っています。
また山には豊富な森林資源も存在していますし、そうした自然環境によって育まれた祇園坊柿や棚田米、とちの実や山菜、アマゴなど食材も豊かです。伝統芸能の神楽も盛んですし、時代を遡れば鉄の産地としての歴史もあります。
町民の皆さんが思っている以上に、安芸太田町は多種多彩な資源に恵まれているのです。
しかし、いくら素晴らしい資源でも、いつも同じ視点や考え方で捉えていては、新しい魅力に気が付くことができません。
そしていくら素晴らしい資源でも、新しい魅力を生み出していかなければ、いつかは飽きられてしまうのではないでしょうか?
私が果たすべき役割の一つは、町民の皆さんとは違う視点、違う考え方を通じて、町の新たな魅力への気付きを掘り起こしていくことです。
そのうえで、私が国会議員として培ってきた人脈や経験を使えば、その新たな魅力を具体的な形に仕上げ、かつこれまで以上に町の外にアピール出来るのではないかとも考えています。
ただし、町のことについて本当に詳しいのは町民の皆さんです。
私は新たな魅力に気が付くことは出来るかもしれませんが、それを育てていくのは町民の皆さんの力なくして不可能です。
今回経験している新型コロナウイルスは大変な問題ではありますが、それを乗り越えたところに、都会一辺倒のライフスタイルとは違う、地域や田舎の良さが見直される時代が訪れようとしています。
この流れは町にとってチャンスでもあります。この時代の変化を上手く捕まえて、安芸太田町の再生につなげていくのが私の仕事です。
現状が厳しいことは言うまでもありませんが、コロナ後に求められる新しいライフスタイルを世界が探しています。
その回答の一つを、我々の町で提示できるよう、そして次の世代にこの故郷を残していくために、新しい町づくりを進めることを選択された町民の皆さんに、このうえない敬意を表して、私の就任のご挨拶とさせていただきます。
令和2年5月
安芸太田町長 橋本 博明