○安芸太田町懲戒処分等の指針
平成17年12月22日告示第55号教育委員会告示第11号
安芸太田町懲戒処分等の指針
第1 基本的事項
本指針は、安芸太田町職員並びに安芸太田町教育委員会職員(臨時的任用職員を含む。以下「職員」という。)が行った非違行為等について、代表的な懲戒処分並びに服務監督上の措置の事例を選び、それぞれにおける標準的な処分量定を示したものである。
具体的な量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に同様の非違行為を行っているか
⑥ 司法等における違法性の判断は、どのようなものであるか
等のほか、適宜、日ごろの勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上、判断するものとする。
個別の事案の内容や具体的な行為の態様によっては、標準例に掲げる量定以外(服務監督上の措置を含む。)とすることもあり得る。
なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分等の対象となり得るものであり、これらについては、標準例に掲げる取扱いを参考とし個々に判断するものとする。
第2 用語の定義
本指針中で掲げる懲戒処分等に係る用語の定義は、次による。
1 懲戒処分
地方公務員法第29条の規定により、任命権者が人事通知書をもって職員の非違行為に対し懲罰として行う次の処分をいう。
(1) 免職 勤務関係から排除する処分
(2) 停職 1日以上6か月以下の間、職務に従事させない処分
(3) 減給 6か月以下の間、給料の100分の10以下に相当する額を給与から減ずる処分
(4) 戒告 非違行為に係る責任を確認させ、その将来を戒める処分
2 服務監督上の措置
職員の非違行為が懲戒処分に該当するに至らないものに対し、注意を喚起し、その職務を厳正にすることを目的として行う次の処分をいう。(職員カードの賞罰欄に記載する。)
(1) 訓告 行為を戒めるため任命権者名で文書により行う処分
(2) 厳重注意 任命権者名で文書により注意を行う処分
(3) 注意 任命権者が口頭により注意を行う処分
第3 処分の標準例
1 一般服務関係
(1) 欠勤
ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。
イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。
ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。
(2) 遅刻・早退
正当な理由なく勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。
(3) 休暇の虚偽申請
病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。
(4) 勤務態度不良
勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。
(5) 職場内秩序びん乱
ア 暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。
イ 暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 虚偽報告
事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。
(7) 違法な職員団体活動
ア 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は町の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。
(8) 秘密漏えい
職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。
(9) 政治的行為の制限違反
ア 地方公務員法第36条第1項又は第2項の規定に違反して政治的行為をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 地方公務員法第36条第3項の規定に違反して政治的行為を行うよう職員に求める等の行為をした職員は、停職又は減給とする。
ウ 公職選挙法第136条の2の規定に違反して、公務員の地位を利用して選挙運動をした職員は、免職又は停職とする。
(10) 個人情報保護条例違反
安芸太田町個人情報保護条例第7条の規定に違反して、職務上知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用した職員は、減給又は戒告とする。
(11) セクシュアル・ハラスメント
ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
イ 相手の意に反することを認識の上で、セクシュアル・ハラスメントに該当する行為を繰り返した職員は、停職又は減給とする。ただし、特に悪質な場合は、免職又は停職とする。
ウ 相手の意に反することを認識の上で、セクシュアル・ハラスメントに該当する行為を行った職員は、減給又は戒告とする。
(12) 官製談合
入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年法律第101号)第2条第5項に規定する「入札談合等関与行為」を行った職員は、免職又は停職とする。
(13) 施設利用者等に対する暴行・傷害
ア 施設利用者等に暴行を加えた職員は、相手が傷害するに至らなかったときは、停職又は減給とする。
イ 施設利用者等の身体を傷害した職員は、免職又は停職とする。
(14) 営利企業等の無許可従事
許可なく営利企業等に従事して報酬を得た職員は、減給又は戒告とする。
(15) 公益通報者保護妨害
非違行為の事実を内部機関に通報した職員を詮索し、又はこれに不利益を及ぼし、若しくは及ぼそうとした職員は、停職又は減給とする。
(16) コンピュータの不正利用
職場のコンピュータを職務外の目的で不正使用した職員は、減給又は戒告とする。
(17) 公務員倫理違反
ア 職務に関し賄賂を収受し、又はこれを要求若しくは約束した職員は免職とする。
イ 利害関係者から供応接待を受けた職員は、停職、減給又は戒告とする。
ウ 利害関係者とともに飲食し、遊戯をし、又は旅行をした職員(所定の手続きにより許可を得たものを除く。)は、戒告とする。
(18) 公務員としての不作為
法令に基づく住民等の申請に対し、相当の期間内に何らかの行政処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにもかかわらず、これをしない職員は、減給又は戒告とする。
2 公金等取扱い関係
(1) 横領
公金(「団体会計」を含む。以下同じ。)又は公物を横領した職員は、免職とする。
(2) 窃取
公金又は公物を窃取した職員は、免職とする。
(3) 詐取
人を欺いて公金又は公物を交付させた職員は、免職とする。
(4) 紛失
公金又は公物を紛失した職員は、戒告とする。
(5) 盗難
重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った職員は、戒告とする。
(6) 公物損壊
故意に職場において公物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(7) 出火・爆発
過失により職場において公物の出火、爆発を引き起こした職員は、戒告とする。
(8) 諸給与の違法支払・不適正受給
故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は、停職、減給又は戒告とする。
(9) 公金等の処理不適正
自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした職員は、停職、減給又は戒告とする。
3 公務外等その他の非行関係
(1) 放火
放火をした職員は、免職とする。
(2) 殺人
人を殺した職員は、免職とする。
(3) 傷害
人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。
(4) 暴行・けんか
暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかったときは、減給又は戒告とする。
(5) 器物損壊
故意に他人の物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。
(6) 横領
自己の占有する他人の物(公金及び公物を除く。)を横領した職員は、免職又は停職とする。
(7) 窃盗・強盗
ア 他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。
イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。
(8) 詐欺・恐喝
人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。
(9) 賭博
ア 賭博をした職員は、減給又は戒告とする。
イ 常習として賭博をした職員は、停職とする。
(10) 麻薬・覚せい剤等の所持又は使用
麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した職員は、免職とする。
(11) 酩酊による粗野な言動等
酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員は、減給又は戒告とする。
(12) 痴漢行為
公共の乗物等において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。
4 交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 酒酔い運転で人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 酒酔い運転で人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職とする。この場合において事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職とする。
ウ 酒気帯び運転で人を死亡させ、又は傷害を負わせた職員は、免職又は停職とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職とする。
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
(3) 交通法規違反関係
ア 酒酔い運転及び酒気帯び運転をした職員は、免職とする。
イ 無免許運転等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(4) 飲酒運転の車両への同乗又はほう助関係
ア 飲酒の事実を知りながら酒酔い運転及び酒気帯び運転の車両へ同乗した職員は、免職又は停職とする。
イ 運転をすることを承知の上で酒を提供したり勧めたりした職員は、免職又は停職とする。
5 監督責任関係
(1) 指導監督不適正
部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給又は戒告とする。
(2) 非行の隠ぺい及び黙認
部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。
附 則
この指針は、平成17年12月22日から施行する。
附 則(平成18年10月20日告示第52号・教委告示第13号)
この告示は、平成18年11月1日から施行する。