○安芸太田町文化財保護条例
平成16年10月1日条例第94号
安芸太田町文化財保護条例
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び広島県文化財保護条例(昭和51年広島県条例第3号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で町の区域内に存するもののうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(財産権等の尊重等)
第3条 安芸太田町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(指定)
第4条 教育委員会は、次の各号の定める区分により、安芸太田町指定文化財(以下「指定文化財」という。)に指定することができる。
(1) 安芸太田町重要文化財
町の区域内に存する有形文化財のうち、町にとって重要なもの(以下「町重要文化財」という。)
(2) 安芸太田町無形文化財
町の区域内に存する無形文化財のうち、町にとって重要なもの(以下「町無形文化財」という。)
(3) 安芸太田町有形民俗文化財
町の区域内に存する有形の民俗文化財のうち、町にとって重要なもの(以下「町有形民俗文化財」という。)
(4) 安芸太田町無形民俗文化財
町の区域内に存する無形の民俗文化財のうち、町にとって重要なもの(以下「町無形民俗文化財」という。)
(5) 安芸太田町史跡、安芸太田町名勝又は安芸太田町天然記念物(以下「町史跡名勝天然記念物」と総称する。)
町の区域内に存する記念物のうち、町にとって重要なもの
2 教育委員会は、町重要文化財、町有形民俗文化財及び町史跡名勝天然記念物の指定をするときは、あらかじめ、指定をしようとする町重要文化財、町有形民俗文化財並びに町史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者及び権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 教育委員会は、町無形文化財及び町無形民俗文化財の指定をするに当たっては、当該町無形文化財及び町無形民俗文化財の保持者又は保持団体(文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 第1項の指定又は第3項の認定(以下「指定等」という。)をするときは、安芸太田町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。
5 第1項の規定による指定は、その旨を教育委員会が告示するとともに指定文化財の所有者、保持者、保持団体(以下「所有者等」という。)及び権原に基づく占有者に通知して行う。
6 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示のあった日から効力を生じる。
7 教育委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該指定文化財が町重要文化財及び町有形民俗文化財にあっては指定書を、町無形文化財の場合にあっては認定書を所有者等に交付する。ただし、当該指定文化財が町無形民俗文化財及び町史跡名勝天然記念物に係るものであるときは、この限りでない。
8 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
9 前項の規定による追加認定には、第2項から第5項までの規定を準用する。
(解除)
第5条 教育委員会は、指定文化財がその価値を失った場合、その他特殊な事由が生じたときは、その指定を解除することができる。
2 無形文化財の保持者が死亡し、若しくは心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき、又は保持団体が解散し、若しくはその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるとき、その他特殊な事由がある場合は、教育委員会は、その認定を解除することができる。
3 当該無形文化財の保持者がすべて死亡したとき、又は保持団体がすべて解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、無形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 指定文化財について法又は県条例による指定があったときは、当該指定文化財の指定等は解除されたものとする。
5 前条第2項の規定は、第1項及び第2項(保持者が死亡したとき及び保持団体がすべて解散したときを除く。)の規定による指定等の解除について準用する。
6 前条第3項の規定は、第1項から第4項までの規定による指定等の解除について準用する。
7 所有者等は、前項の解除の通知を受けたときは、速やかに指定書又は認定書を教育委員会に返付しなければならない。
(所有者等の管理義務)
第6条 指定文化財の所有者等は、この条例及び教育委員会規則並びに教育委員会の指示に従い、指定文化財を管理しなければならない。
(所有者等の氏名変更等の届出)
第7条 指定文化財の所有者等は、次の各号のいずれかに掲げる場合に該当するときは、教育委員会に届け出なければならない。
(1) 指定文化財の所有者が変更したとき。
(2) 指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。
(3) 指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき(一時的な所在の場所の変更を除く。)。
(4) 指定文化財の所有者(無形文化財にあっては、保持者並びに保持団体又は当該団体の代表者)が氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
(5) 認定された無形文化財の保持者がその保持する無形文化財の保存に影響を及ぼす心身の故障が生じたとき、及び当該保持者が死亡したとき。
(6) 無形文化財の保持団体の構成員に異動を生じ、又は解散したとき。
(現状変更等の届出)
第8条 指定文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、所有者等は教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則の定める場合は、この限りでない。
(管理等に対する補助)
第9条 指定文化財の管理、修理、復旧、公開その他その保存及び活用に要する経費に関し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合は、町は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、必要な条件を付すことができる。
(管理等に関する勧告)
第10条 教育委員会は、指定文化財の管理及び保存等が適当でないと認めるときは、所有者等に対し管理及び保存方法の改善、修理その他管理保存に関し必要な措置を勧告することができる。
2 前項の勧告をしようとするときは、審議会の意見を聴くものとする。
(公開)
第11条 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し、期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため、指定文化財の出品を勧告することができる。
(保存のための調査)
第12条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定文化財の所有者等に対し、その現状又は管理、修理若しくは保存の状況につき報告を求めることができる。
(標識等の設置)
第13条 指定文化財のうち町史跡名勝天然記念物の所有者は、当該文化財の管理に必要な標識、説明板、境界線、囲さくその他の施設を設置することができる。
2 教育委員会は、前項に掲げる指定文化財のほか、必要と認める指定文化財について、標識、説明板その他の施設を設置することができる。
(有形文化財の損壊等)
第14条 有形文化財を損壊し、き損し、又は隠匿した者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。
(記念物等の損壊)
第15条 記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し、き損し、又は喪亡するに至らしめた者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。
(現状変更等)
第16条 第8条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、指定文化財の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存の影響を及ぼす行為の禁止の命令に従わなかった者は、1万円以下の罰金に処する。
(法人等の行為)
第17条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務又は財産の管理に関して前3条の規定に違反する行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の加計町文化財保護条例(昭和38年加計町条例第25号)、筒賀村文化財保護条例(昭和55年筒賀村条例第13号)又は戸河内町文化財保護条例(昭和57年戸河内町条例第1号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。
附 則(平成20年7月8日条例第29号)
この条例は、公布の日から施行し、平成20年4月1日から適用する。